Waku Waku Gymでは、
常時すべてのクラスで最後に目をつぶる時間を設けております。
今回はこれを行う目的についてご説明したいと思います。
子供たちは1時間のクラスの中で走り回ったり様々な運動を行って、脳はアクセル全開の状態となっています。
このときには脳の中心部に近い大脳辺縁系と呼ばれる本能を司る部位が良く活動しており、脳は「快」の状態になっています。
では、この状態で目をつぶるということで、脳の中ではどのようなことが起こっているのでしょうか。
目を閉じて安静状態を作ると、今まで活発に活動していた辺縁系の働きが急に抑えられて、反対におでこの奥に位置する脳の表層部の新皮質が活発に働くようになります。
この部分は前頭前野とも呼ばれ、人を愛したり、将来の計画を立てたり、人格を司ったりと、人間を人間たらしめる最も重要な部位とも言えますが、この部位が活発に働き出すのです。
ちょうど、高速道路でスピードをだして走っている車に急ブレーキをかけるようなことをしているとお考え下さい。
人体になぞらえると、例えば胃であればそのどの部分も食べ物の消化をするはたらきがあるのですが、脳は特殊な臓器で部位によってそのはたらきが異なり、中心部と表層部では
全く違った役割を司っているのです。
ですから頭を打ったときには、打ち所が良かった、悪かったという表現をするのです。
私は、Waku Waku Gymに通うことで子供たちにけじめをつけられる子供になって欲しいと考えております。
それは言い換えれば、運動するときには全力でそれに取り組み、我慢しなければならない時には我慢するというように、脳のアクセルとブレーキを使い分け、自分の感情を上手にコントロールして行動ができるようになってほしいということです。
ただ、ここで一つ忘れてならないことは、子供を教育する際には、まず脳のアクセルをしっかり発達させたあとにブレーキを鍛えることが重要であるということです。
子ども自身が楽しいと感じていないときに躾けられても素直に聞く耳を持つ事は難しいでしょうし、効果はさほど期待できないと思います。
子供を躾ける最も効果的で適切なタイミングは、子供が楽しい事をしてその脳が「快」の状態のときです。
ジムのプログラムの最後に必ず子供たちの多くが「楽しかった!」と発表してくれる、「ウィングプリーアオ」や「すいかおに」などの走り回る運動を多く取り入れているのもこのためです。
当ジムに通っている子供たちの年齢では、まだ脳のブレーキが充分に発達していないので時間がかかるかもしれませんが、目を閉じて安静な状態を作ることを継続する事によって、
やがてどの子も自分の感情をコントロール出来るようになってきます。
今後は、ジムで目をつぶっているときには、
脳のブレーキを鍛えるための訓練を行っているとお考え下さい。