毎年5,6,7,8歳以上のクラスではこの時期に跳び箱を行っているのですが、今年は指導方法を例年と変えて行うことにしました。
今までは一般的な指導方法にのっとり、最初に跳び方を指導してから馬跳びを行い、その後は何度も箱を跳ばせ、低い段から徐々に高くしていく方法で指導していたのですが、
今年はまず箱を跳ばせる前に、跳び箱の上で前転を行う台上前転から始めようと考えています。
その理由として、上手に跳び箱ができる子供とそうでない子供とでは、踏み切りの際の「スピード」「蹴る力」などに大きな差がみられるので、
まずは踏み切りを上達させる目的で台上前転を行います。
跳び箱ができない子供の中には、箱を跳べなかった際に足が箱にぶつかって痛いという恐怖心からスピードにのった踏み切りができず、
うまく跳べないというケースが少なくありません。
その証拠に、跳び箱だと跳べないのに同じ高さで人が台になって馬跳びをさせると上手に跳べる子供もいるのです。その意味では、台上前転では跳び箱に足をぶつけるという恐怖心がないので、踏み切りの練習としてはうってつけなのではと考えています。
跳び箱は恐怖心があるかないかで、その成果に大きな差がみられる種目です。それは、恐怖心が踏み切りの得手不得手に重要な影響を及ぼすからです。
跳び箱は「走って」「踏み切って」「跳ぶ」という3つの運動動作を含んでいます。
上手に「跳ぶ」ためには「踏み切る」局面が最も重要です。
そして、その踏み切りを勢いよくスピードにのって行うためには、恐怖心を克服して勢いをつけて「走る」ことが何よりも大切なのです。
以上のことから、今年は跳び箱を行う前に台上前転を行うことによって、恐怖心なく踏み切りをできるようにするための段階を設けたいと思っています。
跳び箱は上手に跳べると大きな達成感を得ることができ、今までできなかった子供ができるようになると、急に自信を持てるようになる種目でもあります。
今年も一人でも多くの子供たちに、跳び箱を跳ぶ爽快感を感じてもらえるよう指導に当たって参ります。