さて、Waku Waku Gymでは毎回クラスの始まりと終わりの際に目をつぶる時間を設けていますが、このねらいはけじめのつけられる子供を育成することにあります。
特に最後に目をつぶる時には、直前まで鬼ごっこやウイングプリーアオなどをして走り回っていて精神的に興奮状態にある中で目をつぶらされるのですから、子供にとっては多くの我慢を強いられる時間でもあります。
しかし、この我慢の時間がけじめのある子供に育てるためのとても良いトレーニングとなっているのです。
子供時代、特に幼少期や小学低学年においては、多くの子供が自分の感情のコントロールが不得手な傾向にあります。
しかしながら、思い切り楽しんで心が満足している状況下であれば、多少の我慢は受け入れることが出来るものなのです。
つまり、ジムでの時間が楽しく心が満たされたから、最後は我慢して目をつぶろうかとなるのです。
そして、嬉しいことに今ではほとんどのクラスにおいて、こちらが何も言わなくても自主的に座って目をつぶる子供がでてきました。
また、かつては皆が発表しているときに一人でフラフラ歩いていた子供や、お母さんが抱きかかえていないとすぐにどこかに行ってしまう子供などもいつの間にか一人で落ち着いて座ることが出来るようになって来ました。
少し専門的な話になるのですが、脳は刺激する部分によって役割が異なるという特徴があります。
例えば、胃であれば胃液を出して食べ物をどろどろにして腸に送り出す働きがあるのですが、これは胃のどの部分も同じ役割を担っています。
しかし、脳は違います。走り回って興奮しているときには脳の最も内側にある旧皮質と呼ばれる部位が活動的になっていて、目をつぶって安静にしているときには脳の最も外側にある新皮質と呼ばれる部位が活発に働くのです。
そしてこの時にはさっきまで活発に活動していた旧皮質の部位の活動は収まっているのです。
つまり、鬼ごっこで夢中になって走り回り脳の内側部分が活発に活動していたものを、目をつぶらせることによって今度は脳の外側の部分を活動させるのですから、たとえて言えばアクセル全開で走っていた車に急ブレーキをかけるようなものだとお考え下さい。
これができるように子供たちを訓練するのは実際なかなか難しいのですが、この「楽しかった!」という興奮状態と「目をつぶる」という静止状態をセットにすることによってのみ、けじめのつけられる子供に育成することが出来るのです。
このようにただ「たくさん運動して楽しかった!」だけで終わらないところに当ジムの大きな特徴があります。
今後も当ジムでは単に運動能力向上だけでなく、遊ぶときには遊び、我慢するときには我慢ができる、自分の感情をコントロール出来る子供を育成するプログラムを継続していきたいと考えております。