Waku Waku Gym

腕の支持運動に挑戦しよう ~わく通2021年12月号

今回は腕の支持運動についてお話します。

私たち人間の祖先はかつて四足歩行でしたが、二足歩行に移行する事によって腕が自由に使えるようになり、火の取り扱いやものを作ることを覚えて文明を発達させてきました。

しかしその一方で、二足歩行により退化した能力もあります。その一つが体を腕で支える能力、つまり支持運動と呼ばれるものです。

当ジムでは毎回必ず「手押し車」「くまさん歩き」「逆立ち」などの支持運動を行っています。ではなぜジムではこのような運動を数多く取り入れているのでしょうか。

それは運動能力向上のためには、腕で体を支える力を発達させることが必須だからです。

私自身、逆立ち歩きができるようになったことで様々なスポーツが格段に上達したという実体験を持っています。

ところが、残念ながら今はコロナ禍で家にいる時間が長くなり運動不足から体重が増えてしまい、この支持運動が苦手な子が増えているのが現状です。

支持運動の得意不得意は子供の体重と大きな関りがあります。

私たちの脳の発育発達の観点からすると、一般的には小学校卒業くらいまではどの子も運動能力が確実に向上していくのですが、それは良い運動環境に恵まれた場合に限られます。

逆にこの時期に運動を全くしないという環境では、残念ながら運動能力の向上はあまり期待できないでしょう。

支持運動が上達してくると「側転」ができるようになり、中でも上手にできる子には足がまっすぐ伸びたきれいな逆立ちの姿勢が見られます。

自分の体を腕で支持した状態で回るという運動は、恐らく子供にとって初めての感覚に違いありません。ただ、そこまでできるようになるためには、まずはジムで行っている壁倒立が上手にできなくてはなりません。

壁倒立は最初は苦手でも誰でも継続していれば必ずできるようになる運動ですので、まずは壁倒立ができるようになることを目指しましょう。

今後はクラスによっては側転にも挑戦していきます。たとえ足がまっすぐに伸びなくても形だけでもできるようになれば、自分の腕で体を支持した状態で回るという気持ちの良い感覚を味わってもらえることと思います。

「できた!」を感じたときが子供たちの運動に対する意識が変わる大事な第一歩なのです。

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