Waku Waku Gym

大学教員だった私が子どもを教えるようになった訳 ~わく通2022年5月号

今まで何度か保護者の方から「なぜ先生は大学の教師から子供たちを教えることにしたのですか?」と聞かれることがありました。

今回はそのお話をさせて頂きます。

かつて私は20年間、大学で体育の教師をしていました。

その際に体育が苦手な学生にマンツーマンで教える機会が何度もあったのですが、彼らと打ち解け合って話をするようになると、多く学生から「小学1年生から高校3年生まで体育の授業が嫌で仕方なかった」という話を聞いて大変びっくりしたのを覚えています。

なぜなら、私自身にとって体育は一種の気晴らしであり、楽しい遊びといった感覚であったからです。

その話を聞いた時に12年間も辛い思いをしていた事に同情すると同時に、「小学1年生で運動に対して苦手意識を持っていたのであれば、一体何才まで戻れば苦手意識がなくなるのだろう」という疑問がわいてきました。

この疑問を解決するために幼稚園での運動指導を決断したのです。

当初は子供たちの運動指導をして論文の一本でも書ければいいかなという思いで始めたのですが、実際に彼らと一緒に運動してみるとその成長のスピードに驚かされることが何度もありました。

特にびっくりしたのが鉄棒の指導です。

先週まで怖くて泣いてやりたがらなかった子供が「そう先生、鉄棒できるようになったよ」と笑顔で言うので「まさか」と思いつつ見せてもらうと本当に一人で前回りをやっていたのです。

これは大学の授業ではあり得ないことなので今でもその光景が目に焼き付いています。

またその時には、「今、体育嫌いの大学生の〇〇くんも小さい時にこのような経験をたくさんしていれば体育の授業を嫌いにならなくても済んだのだろうになぁ」と残念に思ったものでした。

このような強烈な経験を何度もするにしたがって、私の中で幼稚園の子供と運動する時間がとても楽しく、充実したものとなっていったのです。

タイランドでのWaku Waku Gym は、その意味では私の運動指導の集大成と言えるでしょう。

運動は一番になれればそれに越したことはないですが、相手がいることなのでそれはなかなか難しいことです。

それよりも学校で行われる体育の授業で、「一番にはなれないけど、自分の中で達成感を感じて楽しむことができる」、そんな子供に育ってくれることを私もまさ先生も望んでいます。

運動やスポーツは一回習得すれば一生応用することができます。

今の子供たちが老人になるころには人生100年時代が到来していると思いますし、いつまでも若々しくいるためには運動習慣を持つことが必須です。

今の年齢から体を動かす楽しさを実感できれば、きっと生涯にわたって運動に親しんでくれる、そんな希望も彼らに対して抱いています。

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