日本人学校運動会を目指して、前回は速く走るために腕振りの重要さをお話ししましたが、今回はすべてのスポーツ競技にとって非常に大切な体幹部のお話をします。
まず、速く走ることができる子供は、100%同年代の他の子供に比べて体幹部の筋肉が発達しています。
というのは、腕や足に伝わる力はすべて体幹部を通して伝わるので、いくら脚部の筋肉だけが発達していても体幹部が安定していないとうまく脚に力を伝えられないからです。
つまり、体の軸である体幹が不安定だとフォームが安定しないため、速く走ることができないのです。
体幹の安定の重要性は走る運動だけではなく、すべての運動に当てはまります。
例えば、当ジムで毎回行っているうんていを例に考えてみると分かり易いかと思います。
うんていは腕の力や握る力が強ければできるとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、そうではなく体幹部の筋肉の発達具合ができるできないに非常に密接に関係しているのです。
なぜなら、ぶら下がった状態から腕を一度放して前方で握り替える動作には、腕の力だけでなく体を前方へ移動させる体幹の力が不可欠だからです。
脚と体幹の関係もこれと同様ですので、うんていが得意な子供は足も速いというケースが多いのです。
(ただし、うんていが得意であれば必ず足が速くなるとは限らないのは残念ですが。)
同様に、ぶら下がり運動をさせても体幹部の強さを知ることができます。
3歳児でも体幹がしっかりしている子供は、落ちそうになると棒を握り替えて長時間ぶら下がることができます。
ところが、体幹部の筋肉が発達していない子供は腕と体幹を一体化して動かすことができないので、棒を握り替えることができずにすぐに落ちてしまいます。
このように、一見何の関係もないと思われるうんていやぶら下がる運動と走る運動には、体幹の安定性という観点から見ると実は大きな関わりがあるのです。
体幹部を鍛えるトレーニングとして、当ジムではお母さんとの握手トレーニング、手押し車を毎回行っていますが、現在では多くの子供に改善が見られ、速く走るための土台作りが着々と進んでいると感じています。
また、より高い効果を得るために、毎回の体幹トレーニングを確実に効果のある方法で行うようにお子様を促して頂ければと思います。
体幹を鍛えることはすべての運動に役に立ちますので、今のうちからしっかり鍛えてあらゆるスポーツに適した体を作りましょう。