Waku Waku Gym

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わくわくタッチ、その効果は絶大です~わく通2022年11月号

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さて、最近では「コロナ禍」という言葉もあまり耳にすることがなくなり、ここバンコクでは観光客の姿も多く見られ、かつての賑わいを取り戻しつつあります。

そのような中、当ジムでもかつて行っていた様々な活動を復活させています。

ボールプールにはボールを入れ、5歳・6歳・7歳・8歳クラス、4歳・5歳・6歳・7歳クラスでは手つなぎスキップも行うようになりました。

中でもクラス終了後に行う「わくわくタッチ」はすべてのクラスで再開するようになりました。

ワクワクジムでは、子供たちが運動を通して心身ともに安定した健やかな人間に育てることを最終的な目標としています。

そのためには、幼少期から自分自身を大切に思うセルフエスティームを育てることが非常に重要であると考えています。

それには他者からの承認が必須となりますが、それを達成するためのアプローチの一つが他者から微笑んでもらうことであり、クラス終了後に行うわくわくタッチはその重要なツールとなっています。

乳児期や幼児期に親を含む他者からの微笑みやささやき、ボディータッチなどを多くしてもらった子は精神的に安定すると言われています。

これらの行為は感性情報とも言われ、幼い時に感性情報をたくさんもらった子供は、その後の成長過程においても友達とも積極的に関わる事ができるようになる傾向があると言われています。

ですから、わくわくタッチを継続的に行って感性情報をたくさん受け取ることは、今後クラスの中で他の子と上手に関わることができることにつながるとも考えることができます。

ただし、1週間に一度しか会わない子供同士なので、いきなりタッチしなさいと言われてもなかなかできるものではありません。そこで「運動」がその一助となるのです。

運動とは基本的に遊びですので、運動すると心が開き他者とのコミュニケーションが取りやすくなります。

ですからクラスが終了した時が最もわくわくタッチをしやすい タイミングであり、特に友達とのコミュニケーションを積極的に取れない子供にとってはクラスの中で最も重要なプログラムなのではとも考えています。

また、タッチする際にはしっかり友達の目を見るように促してます。

私たち人間は社会的な生き物ですので、他者から嫌われたくないという気持ちを生まれながらに持っています。

ですから人と目を合わせるときには微笑むのが最も得策ということを本能的に心得ているのです。

また、運動をした直後ということもあるので、誰もがほとんど抵抗もなく笑顔でタッチをすることができるのです。

子どもの感性は非常に敏感であり、常に五感を総動員して様々な情報をキャッチしていろいろなことを考えています。

中でも目からの情報は最も多く、友達と目を合わせて微笑むという行為はセルフエスティームを育てるうえで非常に効果的であると考えています。

わくわくタッチを皆が積極的に行えば次回のクラスはさらに楽しくなり、思い切り体を動かせる雰囲気が醸成されていきます。

この良い循環をさらに強固にするためにも、今後ともわくわくタッチを継続していきたいと考えています。

実話です! 鉄棒前回りを30分間し続けた女の子の話~わく通2022年10月号

さて、今回の話は10月19日㈬、2,3歳クラスでの出来事です。

〇ちゃんは入会して間もない女の子。鉄棒が苦手で、その日もまさ先生が鉄棒に誘ってもやらないと言って泣いていました。

そこでクラス終了後、マットに移動して当ジム特製メニュー「竹馬くるりんぱ」に誘ったところ、何とか一人でできるようになってきました。

そして、いざ鉄棒に移動してやってみると、私たちが補助しながらではありますが一人でできるようになりました。

驚いたのはこれに気を良くした〇ちゃん、何度も何度も鉄棒を回りだしたのです。

たいていこのような状況では、お母様が「もうできるようになったから止めていいよ」というような声掛けをするのですが、夢中になって取り組んでいる〇ちゃんに対してお母様はその後も励ましの言葉以外をかけることはありませんでした。

お母様が「ゾーンに入っている」と仰っていたように〇ちゃんはできるようになったことがよほど嬉しかったのか、その後も一心不乱に鉄棒に取り組んでいました。

最終的に何回やったのか数えていなかったのですが、フリープレイタイムが終わるまで続けていたので、本当に30分間ひたすら前回りをしていたことになります。終わった時には髪の毛まで汗びっしょりになって「み~ず」と言っていたので、本当に喉がカラカラになるまで鉄棒に取り組んでいたのでしょう。

私は今まで多くの子供を指導してきましたが鉄棒前回りを30分間やり続けた子供は初めてでした。

〇ちゃんは恐らく「本当は鉄棒をやりたかったのだけど恐怖心を抱いていたのでできなかった。それができるようになって楽しくてやめられなくなってしまった」、こんなところではないでしょうか。

まさ先生がお母様に「〇ちゃんの人生変わりましたね」と言っていましたが、子供はほんの些細なきっかけで苦手だったことが好きになったりすることはよくある事なのです。

これまで〇ちゃんにとって鉄棒は「怖い」以外の何ものでもなかったのが、ある日を境に遊び道具に変わっていく、ちょうどさなぎが蝶に変態する様な機会に遭遇できたことは教育を生業とする私たちにとって本当に嬉しい出来事でした。

子供の成長を目の当たりにできることほど私たちを奮い立たせてくれるものはありません。

そしてこのような機会を得られたのも、お母様がずっと○ちゃんを笑顔で見守り、〇ちゃん自身に一つのことに集中できる資質があったからこそなのだと思います。

当ジムには「すべては子どもたちの『できた!』のために」というスローガンがありますが、実はできたからと言ってそれで終わりではないのです。

「できた!」という苦手を乗り越えた貴重な体験をその後の自分の人生にどう活かしていくのか、それこそが重要であり、その体験を活かすことができて初めて運動をやっていてよかったということになると私は考えています。

〇ちゃんにとって前回りができるようになった事がきっかけとなり、今後も様々なことに挑戦するようになったり、自分に自信を持てるようになってほしいと願っています。

〇ちゃん、よくがんばったね!

速く走るためには腕振りから わく通~2022年9月号

Waku Waku Gymでは、バンコクにお住いの子供たちに、楽しくスポーツに親しんでもらいたいと日々工夫を凝らしています。

現在Waku Waku Gymでは、5歳、6歳、7歳、8歳クラス以上では速く走るためのトレーニングを行っています。

基本的に足が速い子の特長は、「蹴る力が強い」、この一言で言い表すことができます。

そこで蹴る力を強くするために、5歳、6歳、7歳、8歳クラス以上のクラスでは、毎回クラス終了後にママ、パパと一緒に「ホップステップジャンプ」の測定を行ってもらっています。

ちなみに当ジムでの最高記録は7メートルで、2人の小学生が7メートルジャンパーです。もちろん彼らは足が速いです。またその他、縄跳びやトランポリン、ケンケンパーやお花ジャンプなども蹴る力を育成するために非常に役立つ運動です。

ただ、残念ながら蹴る力は短期間ですぐに身につくものではありません。そこで重要となって来るのが、「上手に走る」という考え方です。

上手に走るためのキーワード、それは「腕振り」。鍛えるべきポイントは「肘を曲げてリズム良く」振る事です。

リズム良くということは同じ調子で腕を振り続けるということです。

ただ、これが子供たちにはなかなか難しいようで、子供同士で走らせると隣の子より速く走ろうとして肩に力が入ってしまい自分のリズムを崩してしまうというのはよくあることです。

昨年はオンラインクラスで走る練習をしたのですが、隣に誰もいない状況で自分のペースで腕を振ることができたため、多くの子供がリズム良く腕振りができるようになり、オンラインクラスの一つの意外な効果となったことを思い出します。

そのため、今後は腕振りに意識を置いてリズム走をたくさん行っていきます。この繰り返しの練習が足を速くするうえで最も大切なことであると考えています。

走るというとどうしても脚部に目がいってしまいますが、即効性という意味ではむしろ腕振りに注目した方が良いのです。

腕をリズム良く振ることができるようになれば振るスピードも速くなってきます。脚の動きは腕の動きに同調しますので、それに伴い足の回転数が上がり自然と走るスピードも速くなるのです。

ただ、この効果は日常練習を積み重ねている陸上競技選手には望むことはできません。

あくまで、まだ走ることについて習ったことのない初心者ランナーのみに効果がある一つの裏ワザでもあるのです。

たかが腕振りと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これが上手にできるようになると見違えるようにフォームが良くなる子が毎年必ずいますので、スマートフォンで撮影をお願いしている保護者の皆様には是非まさ先生のアドバイスを何度もお子様に伝えて頂き、より練習効果を高めて頂ければと思います。

Waku Waku Gymでは、毎回クラス終了後にホップステップジャンプを行って蹴る力をトレーニングしているので、今回「肘を曲げてリズム良く」腕を振ることを身につけて、少しでも走る事への自信をつけてもらえればと考えています。

「けじめトレーニング」の効果が出てきました~わく通2022年7月号

さて、Waku Waku Gymでは毎回クラスの始まりと終わりの際に目をつぶる時間を設けていますが、このねらいはけじめのつけられる子供を育成することにあります。

特に最後に目をつぶる時には、直前まで鬼ごっこやウイングプリーアオなどをして走り回っていて精神的に興奮状態にある中で目をつぶらされるのですから、子供にとっては多くの我慢を強いられる時間でもあります。

しかし、この我慢の時間がけじめのある子供に育てるためのとても良いトレーニングとなっているのです。

子供時代、特に幼少期や小学低学年においては、多くの子供が自分の感情のコントロールが不得手な傾向にあります。

しかしながら、思い切り楽しんで心が満足している状況下であれば、多少の我慢は受け入れることが出来るものなのです。

つまり、ジムでの時間が楽しく心が満たされたから、最後は我慢して目をつぶろうかとなるのです。

そして、嬉しいことに今ではほとんどのクラスにおいて、こちらが何も言わなくても自主的に座って目をつぶる子供がでてきました。

また、かつては皆が発表しているときに一人でフラフラ歩いていた子供や、お母さんが抱きかかえていないとすぐにどこかに行ってしまう子供などもいつの間にか一人で落ち着いて座ることが出来るようになって来ました。

少し専門的な話になるのですが、脳は刺激する部分によって役割が異なるという特徴があります。

例えば、胃であれば胃液を出して食べ物をどろどろにして腸に送り出す働きがあるのですが、これは胃のどの部分も同じ役割を担っています。

しかし、脳は違います。走り回って興奮しているときには脳の最も内側にある旧皮質と呼ばれる部位が活動的になっていて、目をつぶって安静にしているときには脳の最も外側にある新皮質と呼ばれる部位が活発に働くのです。

そしてこの時にはさっきまで活発に活動していた旧皮質の部位の活動は収まっているのです。

つまり、鬼ごっこで夢中になって走り回り脳の内側部分が活発に活動していたものを、目をつぶらせることによって今度は脳の外側の部分を活動させるのですから、たとえて言えばアクセル全開で走っていた車に急ブレーキをかけるようなものだとお考え下さい。

これができるように子供たちを訓練するのは実際なかなか難しいのですが、この「楽しかった!」という興奮状態と「目をつぶる」という静止状態をセットにすることによってのみ、けじめのつけられる子供に育成することが出来るのです。

このようにただ「たくさん運動して楽しかった!」だけで終わらないところに当ジムの大きな特徴があります。

今後も当ジムでは単に運動能力向上だけでなく、遊ぶときには遊び、我慢するときには我慢ができる、自分の感情をコントロール出来る子供を育成するプログラムを継続していきたいと考えております。

「やれやれタイム」も大切な時間です~わく通2022年6月号

さて、現在あるクラスでは、クラス終了後に私と対決を挑んでくる?またはじゃれ合ってくる?そんな子供たちが何人かいます。

ただ単に私が彼らの攻撃を受けたり、たまに反撃するだけなのですが、その中にはクラス中はおとなしいのにこの時間になると大声を出している子もいるため、
「君の声、今日初めて聞いたよ」と突っ込みたくなる事もしばしばで、実は私にとってなかなか興味深い時間になっているのです。

一回のクラスの中では多種多様な運動を行いますので、初めての運動や苦手な運動をする際には緊張を強いられる場面も当然出てくるでしょう。

そのような時間を過ごした後に、それまでの緊張を解きほぐすための「やれやれタイム」を設けているのが当ジムの大きな特徴です。

学校で言えば放課後に当たるこのフリープレイタイムが、子供たちにとって非常に重要だと私は考えています。

クラスが終わって、さぁすぐに帰宅しましょうでは、ジムに来る動機がだんだんなくなってしまう子もいるかもしれません。

私は皆で何かを行う際には、緊張感のあとに共に解放感を味わう「やれやれタイム」をセットにするということが大切であると考えています。

学校で放課後に友達とじゃれ合ったり話をしたりするのも、大人が仕事後に同僚と食事をするのも、まさにこの緊張感から解き放たれた後の「やれやれタイム」を楽しんでいるということでしょう。

私がかつてプレイしていたラグビーでは、試合後にアフターマッチファンクションが行われることがありました。

これは相手チームと一緒にビールを飲みながら軽食をつまんで話をする交流会なのですが、日本では形式ばった会に終始することが多いものの、ニュージーランドやオーストラリアなどではこの交流会がきっかけに仲良くなったりビジネスの話に発展することも少なくありません。

私もオーストラリアで試合を行った際、その後の交流会で相手チームの同じポジションの選手から声をかけられてびっくりした経験があります。これも緊張感のある試合を戦った相手だからこそ、その後一緒に過ごす「やれやれタイム」の時間が人間関係を育む絶好のタイミングとなっている証でしょう。

クラス後私に戦いを挑んでくる子供たちですが、それは誰が言い始めたのでもなく自然発生的に始まったものでした。

これこそが遊びの原点であり、社会性を育む大切な機会ではないでしょうか。

この遊びがいつまで続くのか分かりませんが、続く限りはできるだけ応じていくつもりですし、子供たちに負けないように私自身も日々鍛錬に励まなければと改めて身の引き締まる思いでいる今日この頃です。

大学教員だった私が子どもを教えるようになった訳 ~わく通2022年5月号

今まで何度か保護者の方から「なぜ先生は大学の教師から子供たちを教えることにしたのですか?」と聞かれることがありました。

今回はそのお話をさせて頂きます。

かつて私は20年間、大学で体育の教師をしていました。

その際に体育が苦手な学生にマンツーマンで教える機会が何度もあったのですが、彼らと打ち解け合って話をするようになると、多く学生から「小学1年生から高校3年生まで体育の授業が嫌で仕方なかった」という話を聞いて大変びっくりしたのを覚えています。

なぜなら、私自身にとって体育は一種の気晴らしであり、楽しい遊びといった感覚であったからです。

その話を聞いた時に12年間も辛い思いをしていた事に同情すると同時に、「小学1年生で運動に対して苦手意識を持っていたのであれば、一体何才まで戻れば苦手意識がなくなるのだろう」という疑問がわいてきました。

この疑問を解決するために幼稚園での運動指導を決断したのです。

当初は子供たちの運動指導をして論文の一本でも書ければいいかなという思いで始めたのですが、実際に彼らと一緒に運動してみるとその成長のスピードに驚かされることが何度もありました。

特にびっくりしたのが鉄棒の指導です。

先週まで怖くて泣いてやりたがらなかった子供が「そう先生、鉄棒できるようになったよ」と笑顔で言うので「まさか」と思いつつ見せてもらうと本当に一人で前回りをやっていたのです。

これは大学の授業ではあり得ないことなので今でもその光景が目に焼き付いています。

またその時には、「今、体育嫌いの大学生の〇〇くんも小さい時にこのような経験をたくさんしていれば体育の授業を嫌いにならなくても済んだのだろうになぁ」と残念に思ったものでした。

このような強烈な経験を何度もするにしたがって、私の中で幼稚園の子供と運動する時間がとても楽しく、充実したものとなっていったのです。

タイランドでのWaku Waku Gym は、その意味では私の運動指導の集大成と言えるでしょう。

運動は一番になれればそれに越したことはないですが、相手がいることなのでそれはなかなか難しいことです。

それよりも学校で行われる体育の授業で、「一番にはなれないけど、自分の中で達成感を感じて楽しむことができる」、そんな子供に育ってくれることを私もまさ先生も望んでいます。

運動やスポーツは一回習得すれば一生応用することができます。

今の子供たちが老人になるころには人生100年時代が到来していると思いますし、いつまでも若々しくいるためには運動習慣を持つことが必須です。

今の年齢から体を動かす楽しさを実感できれば、きっと生涯にわたって運動に親しんでくれる、そんな希望も彼らに対して抱いています。

すべては子供たちの「できた!」のために ~わく通2022年4月号

今年度も「すべては子供達の『できた!』のために」をスローガンに掲げ、お子様が好奇心を持って楽しく体を動かし、様々な運動が出来るようにスタッフ一同一生懸命指導させて頂きます。

まずなにより大切なのは楽しく運動できる雰囲気作りです。

そのために「あいさつ」と「友達を名前で呼ぶ」という習慣づけを実施していきたいと考えています。

Waku Waku Gymでは一週間に一度しか会わない子供が多いので、すぐにお互いの名前を覚える事は難しいと考えがちですが、特に運動が得意でない子供にとっては友達から名前で呼んでもらうことで他者からの承認を得られたと感じ、大きな安心感を得ることができるのです。

毎回クラス開始時にそれぞれの子供たちの名前を呼ばせているのはそのためです。

座学で受ける勉強と異なり、運動は得手不得手が瞬時に明確になってしまうので、まずは運動が苦手な子供が楽しく参加できる環境を整えることが大切だと考えています。

運動においても、また運動以外の他の分野においても、できないことができるようになるためには何度も失敗を重ねることが必須です。

だからこそ、失敗しても恥ずかしくないという雰囲気作りがとても大切であり、そのために重要なのが友達同士の関係性です。

互いに気軽に挨拶し合い、名前で呼び合う関係性があれば子どもは自分の居場所を持つことができ、もし何か失敗しても恥ずかしくない雰囲気を作ることができます。

そして、それこそがすべての子供たちに「できた!」を体験させるための一番重要な基盤となるのではと考えています。

 

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

たかが逆上がり、されど逆上がり ~わく通2022年3月号

さて、今年度もいよいよ大詰めです。2021年度は前半5月から9月までオンラインクラスで行いました。

そんな中、オンラインクラス終了後に逆上がりができるようになった子が何人かいました。

その中の二人の男の子は幼稚園から当ジムに通ってくれており、現在は小学生です。

長い間通ってくれているにもかかわらずなかなか逆上がりができるようにならなかったのですが、彼らは週に6日間、毎日オンラインクラスに参加していました。

私たちは当時、一日中部屋にいる子供たちの運動不足を危惧して小学生クラスでは足腰に負荷のかかる「ボルト鍛錬」という運動プログラムを行い、従来の週に一度のクラスでは得られない運動効果を週に6日のオンラインクラスで上げることを目標に指導していました。

彼らはまさに、これらのプログラムを毎日行うことによって蹴る力が強くなり逆上がりができるようになったのです。

しかし残念ながら、二人ともしばらくするとまた逆上がりができなくなってしまいました。オンラインクラスの終了により毎日運動する習慣がなくなってしまったことが原因でした。

これには当人たちも相当がっかりした様子でしたが、めげずに毎回練習を繰り返した結果、晴れて再び逆上がりができるようになったのでした。

その時にいつも彼らのそばにいたのは優しいお母さんでした。

彼らの一回一回の逆上がりに対し、お母さまの方が力が入っていることも度々あったようでした。

そして何よりも、一度はできた運動ができなくなってしまったものの、そこで諦めずに再度練習して再びできるようになったという挫折からの努力による成功体験は、彼らの中で消えることはないでしょう。

そして、お母さんが見ているからがんばる、お母さんに喜んでもらうためにがんばる、という大きな動機があったからこそ、まさ先生や私との練習についてこられたのではないでしょうか。

運動が得意であった人には「たかが逆上がり」と思うでしょうが、彼らにとっては大きな教育効果があった運動であり、きっとバンコクでの忘れられない思い出の一つとなったことでしょう。その意味では「されど逆上がり」なのです。

「できた!」の成功体験は子供の心身の成長にとって非常に大切なものです。

また、運動欲求が生涯の中で最も高い幼少期だからこそたくさん経験できる事でもあります。

当ジムにおいてこのような小さな成功体験をたくさん積んだ子供は、入会時と比べて自分に自信が持てるようになり、何事にも積極的になるなど劇的な変化を遂げて卒業していきます。

来年度も子供たちが一つでも多くの「できた!」の喜びを体験できるよう精一杯指導させて頂きます。今年度も皆様のご愛顧を賜りまして誠にありがとうございました。

さぁ、跳び箱に挑戦 ~わく通2022年2月号 

現在、4歳、5歳、6歳、7歳以上のクラスでは跳び箱を行っています。

跳び箱は大きな箱に向かって走っていって、踏み切った後にその箱を跳び越えるとてもダイナミックな運動で、跳び越えることができたときには大きな爽快感、達成感を得ることができます。

ただ、難易度も高い運動ですので、当ジムでは毎年年度の終わりのこの時期に1年間の運動の集大成として跳び箱を行っています。

では、これを上手に跳ぶためにはどのような能力が必要なのでしょうか。今回はその中で特に2つの能力についてご説明したいと思います。

まず一点目に「恐怖心を克服する力」があげられます。実は跳び箱は女の子よりも男の子のほうが上手にできる傾向があります。

その最も大きな理由として、跳び箱に向かってスピードを上げて走っていく時に女の子の方が恐怖心を持ちやすいからです。

跳べなかった時、箱にぶつかってしまったらどうしようという恐怖がどうしても出てくるのでしょう。ですから、跳び箱を上手に跳ぶための最も重要なポイントとして、怖がらないこと、もっと言えば「絶対に跳べるんだ」という強い精神力を持つことが挙げられます。

そこで当ジムでは恐怖心を克服するために「習うより慣れろ」でできるだけ数多く跳ばせるようにしています。その成果もあり、今までできなかった多くの子供たちが「跳べた!」「できた!」を体験してくれています。

二点目は、自分の体を腕でしっかり支えることができる能力です。

これは腕の力があるかどうかということですが、当ジムではクマ歩きや逆立ちや手押し車や握手トレーニングなど、腕を使う運動を毎回取り入れていますので、それらの運動を全く行っていない子供たちよりははるかに自分の体を支える能力が発達していると思います。

ただ、跳び箱を跳ぶためには体を支える力だけでは十分ではなく、跳び箱に着いた手より肩を前に出す動きができなくてはなりません。

この動きは今まで経験がないものなので、初心者には特に難しいようです。勢いよく走ってきてしっかり跳べているのに腕を突っ張ってしまい、肩が跳び箱についた手よりも前に出ずに、跳び箱に座り込んでしまうパターンはよく見受けられます。

ここでも実は恐怖心が強く影響しています。同じ高さの馬とびは軽々跳び越えられるのに、箱になってしまうと途端に跳べなくなってしまう・・・・。

ただ、まさ先生の応援やうまくできなくても大丈夫という和やかなクラスの雰囲気のお陰で恐怖心が薄れ、今までで跳べなかった子供が急に出来るようになることは当ジムでは珍しい事ではありません。

お母さんの「頑張って!」の一言で跳べるようになった子供もいます。今後クラスで跳び箱を行う際には、是非お子様の勇姿にあたたかなご声援を宜しくお願い致します。

日本からこんなご報告を受けることが多くなりました ~わく通2022年1月号

新年あけましておめでとうございます。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

さて、パンデミックにより日本に本帰国や避難帰国された方が多かった昨年でありますが、その方々より日本でスポーツ教室に通わせてみたらWaku Waku Gymと全く違っていたという内容のメールを何通もいただきました。

それによりますと、日本の教室は「1回に行う種目が少なくて飽きてしまう」「ほめてもらう機会がなく注意されてばかりだった」「説明が長すぎて運動時間が少ない」という内容のものがほとんどでした。

では、なぜこのような違いがあるのでしょうか。

私はかつて学生時代にアルバイトで子供たちに運動を教えていましたが、その際にはどの教室でも楽しく体を動かすことよりもまずは運動を上達させることを重要課題として指導に当たっていました。そのため子供たちは毎回黙々と課題に取り組んでおり、クラス中に大きな声を出したり笑ったりすることなどはほとんどありませんでした。

そんな状況を見ていた私は、そもそもスポーツとは遊びから発展したものなのだから、もっと良い雰囲気の中、心が開いた状態で楽しく運動出来たら将来この子たちはずっと長きにわたって運動に親しんでくれるのになあと残念に感じていました。

そのような経験から、私は子供たちに楽しく運動してもらうためには飽きさせないための仕掛けを作っておくことが何より大切であると考えています。

例えば当ジムにおける柳井式と呼んでいるプログラムでは、テンポよく様々な運動を展開し、できないことができるようになったり頑張った際には先生やママとタッチをしたり、うまくできなかった時には励ましたり、フリープレイタイムでは友達と思い切り遊んだりなど、子供が楽しいと感じられるようなクラスを作る工夫をしているのです。

私は長年大学生や小さな子供たちに運動を教えてきましたが、その私が教育において最も重要であると感じたのは「教師の人間性と情熱」、これに尽きると言っていいでしょう。

教師が一人一人の子供たちと情熱を持ってしっかり関わることができるのか、これが子供たちの満足につながる最も大切な要素です。今後も「すべては子供たちの『できた!』のために」を達成すべく、精一杯指導させて頂きます。

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