Waku Waku Gym

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まずは雰囲気づくりから~わく通2024年4月号

いよいよ4月より新年度が始まります。

新しいクラス、新しい友達、新しい運動プログラムというように4月からのクラスを楽しみにしてくれているお子様も多いかと思います。

そこで今回は新年度に当たり、私たちが子供たちを指導する上で心掛けていることをお話させて頂きます。

まずなによりも大切なのは運動しやすい雰囲気作りです。

運動は座学とは異なり自分の動きが他の人に見られてしまうので、保護者の皆様の中にも上手にできなかった時や失敗した際などに恥ずかしい思いをしたという記憶をお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そのようなことにならないように、まずは子供たち同士が互いを認め尊重し合う人間関係を築けるよう指導を行います。

具体的には「あいさつ」と「名前を呼ぶ」ことを徹底させていきます。

Waku Waku Gymでは、クラスの最初に皆の前に立ち全員から名前を呼んでもらう時間を設けていますが、それは子供にとって周囲から自分の存在を認めてもらっているという認識につながり、ここには自分の居場所があるという安心感を得られる大切な時間です。

特にまだ入会したばかりであったり、運動に苦手意識のある子供にとっては、他の子供たちから名前を呼んでもらうことが非常に効果的であると私は考えています。

また同時に、あいさつも雰囲気作りの上でとても大切です。

そのためクラスが終わった際にすべてのクラスで「わくわくタッチ」をさせています。

1時間同じクラスで一緒に運動した子供と目を合わせてタッチするという行為は、互いの頑張りを認め讃え合うという意味で社会性を育むのに有効であるばかりでなく、次回ジムに来た時にクラスに無理なく馴染める状態を作ることができます。

子供でも他者とタッチをすることは一般的には抵抗を示すと思いますが、運動後の心が開いた状態ではコミュニケーションを取りやすいタイミングでもあるので、ほとんどの子供たちが喜んでこれをやってくれます。

運動能力向上のためには何度も失敗を重ねることが必須です。

逆上がり一つにしても失敗に失敗を重ねてようやくできるようになるのです。

そこで、子供が何度失敗しても恥ずかしくないと思える雰囲気が非常に重要となってくるのです。

その雰囲気作りに欠かせないのが一緒に運動している他の子供たちとの関係性であり、その関係性を強固にする方法があいさつであり互いに名前で呼び合うことなのです。

今年度もバンコクにて、「すべては子供たちの『できた!』のために」を目指して、まさ先生、よっしー先生と共に一生懸命指導させて頂きます。

今年度もどうぞよろしくお願い致します。

頂いた嬉しいお手紙~わく通2024年3月号

この度、本帰国されたKくんのお母さまよりWaku Waku Gym あてに嬉しいお手紙を頂きました。

それは、かつてクラスで跳び箱を行っていた際の出来事に関するものでした。

Kくんは跳び箱に対してもともと苦手意識があり、いつも低い跳び箱の列に並んでいました。

そんなKくんに対し、まさ先生は高い箱を跳ぶように促したものの、最初は足が引っかかって転びそうになってしまいました。

Kくんは怖くてもうやりたくないと言いましたが、まさ先生はあきらめずにやってみなさいと普段よりも少し厳しく声を掛けたそうです。

以下、お母様のお手紙から抜粋させて頂きます。

※ ※ ※ ここから ※ ※  ※

「数回後に何とか跳び越えることができた後、

私に駆け寄ってきて大泣きしてしまいました。

怖かった、頑張った、できた、ホッとした、

いろんな感情が混ざったのだと思います。

ですがその日の帰り道、

Kは何だかスッキリした顔をしていました。

きっと低い跳び箱だけ跳んでいたのでは味わえなかった気持ちに

気付いたのだと思います。

恐怖や失敗をちょっとずつ克服し、

成功体験がひとつずつ増えていくうちに、

やればできるかも、やってみようと姿勢が変わってきました。

そして、次はもっと良いタイムを出したい、

リレーでお友達をタッチしたいと目を輝かせて目標を話すようになりました。」

※ ※ ※ ここまで ※ ※  ※

そんなKくんはいつの日からか幼稚園で運動ができる子と思われるようになり、運動会ではリレーのアンカーを務めるまでになったそうです。

そしてお母様はこのお手紙の中で「自分はできるんだと信じること、周りが認めてくれることが子供にとって大きな力となり自信につながることを実感しています」と結ばれています。

今回、当ジムでの指導がお子様の成長につながったことを実感して頂いたことは私たちにとって何よりも嬉しい事であり、Waku Waku Gym のスローガンである

「すべては子供たちの『できた!』のために」

を体現したKくんはきっとこの貴重な経験を胸に日本で益々成長していってくれるものと期待しています。

あることをきっかけに子供が急激に成長することは特別に珍しい事ではありません。

ただ、誰もがこの急な成長を感じられるかと言えばそうではなく、何度も失敗を繰り返した後に出来たという達成感を感じること、そして更に新たな目標を見出し、またそれを達成したいという強い欲求を持つことが必須となります。

その意味ではKくんはまさに大きな成長をとげるためのステップを一つ一つ当ジムで積み上げていったということもできるでしょう。

当ジムはオリンピック選手を養成することを目的としているのではありません。

運動を通じて「できた!」をたくさん感じて自信をつけ、自己肯定感の高い人間に成長させることが私たちの目的です。

そして心身ともに安定した大人に育つことが人生をより幸福により豊かにするという教育信念を持ってお子様の指導に当たっています。

来年度も さ先生、よっしー先生共々、お子様たちの「できた!」に少しでも寄り添っていけるよう一生懸命指導させて頂きます。

来年度もどうぞ変わらぬご理解、ご支援を賜りますようよろしくお願いいたします。

箱を跳ぶ爽快感を感じよう!~わく通2024年2月号



Waku Waku Gymでは、2月からは5歳、6歳、7歳、8歳以上のクラスでは跳び箱を始めます。

毎年年度末は跳び箱を行うのが恒例となっていますが、箱を跳び越えるためには怖がらないこと、助走で前に向かって走るエネルギーを踏み切りの場面で上方に変換する能力、箱に手をついたら体をしっかり支え、腕よりも前に肩を出すための腕の力など多くの能力を必要とすることから年度終わりのこの時期に行うことが多いのです。

跳び箱と言えば踏み切りと言われるほどその技術が重要であるため、当ジムでは踏み切りの練習もかねてこれまで台上前転の練習を重ねて来ました。

最初は怖がっていた子供たちもまさ先生やよっしー先生の励ましにより、以前よりも高い箱を回ることが出来るようになりました。

ただ、実は跳び箱や台上前転は技術面よりも「怖がらない」ことの方が重要なのです。

普段どんな運動も上手にできる子がなかなか箱を跳び越えられなかったり、意外な子?が難なく跳んだりするのはよくあることです。

恐怖心を少しでもなくすため、当ジムでは箱に毛布を当てて体が当たっても痛くないから大丈夫と言って跳ばせたりもしています。

跳び箱は克服スポーツとも言われ、今まで跳べなかった箱を跳ぶことが出来たという大きな達成感や爽快感を感じることが出来ます。

ただ、チャレンジする箱の高さは個人によって異なるので、せっかく自分が頑張って跳ぶことが出来たのに他の子供たちはそれよりもさらに高い箱を跳んでいたというのではできた喜びも半減してしまうと思うのです。

そこで当ジムでは箱に書いてある数字を全て消して箱に色を塗り、子供たちに説明するときにも「次は白の段を跳びましょう」、「その次はピンクです」として段数を設定しています。

そうすることによって他の子供と比較しづらくなるように工夫しています。

当ジムでは子供たちに「できた!」の場面を数多く経験してもらうことが自信につながると考えています。

跳び箱ではその機会が多くあるので自信をつけてくれる子供が数多くいます。

たった一つの成功体験がその子を大きく変えてしまうほどのきっかけとなることも少なくありません。

ここに子供のスポーツ教育の醍醐味があると私は思っています。

さらに跳び箱では跳べたときの爽快感がとても大きく、また跳ぶ前の緊張感から解放されて跳ぶことが出来た喜びは格別のものがあります。

2月、3月には本帰国する子供たちが数多くいます。Waku Waku Gymでの最後の跳び箱の授業で、一人でも多くの子が今まで跳べなかった箱を跳べるようになって自信をつけて日本に帰国できるよう精一杯指導をしていきたいと思います。

子供たちのためだけじゃない!準備体操の驚きの効果~わく通2024年1月号

先日ご兄弟で通われているお母さまより、今まで週2回ジムに通っていたのがお子様が同一クラスになったため週1回になってしまい残念です、というお話を頂きました。

その訳は『ジムで毎回お子様と一緒に行う準備体操が内容、量、強度ともにとても良かったので、せっかく週に2回参加出来ていたのが1回になってしまうから』とのことでした。

そこで今回は、決して小さくはない“準備体操の効果”についてお話し致します。

現在、4歳、5歳、6歳、7歳以上のクラスでは毎回保護者の皆様にも準備体操に参加して頂いています。

バンコク在住の多くの方が日本にいた時よりも運動不足という話をしばしば耳にしたため、それならば子供たちと一緒に体を動かしましょうと始めました。

ではこの準備体操は、保護者の皆様にとってどのような効果があるのでしょうか?

第一にあげられるのが「関節をたくさん動かして痛みを防ぐ」という効果です。

ジャンプする、膝を曲げたり伸ばしたりする、股関節を伸ばす、肩を大きく回す、体を前後に曲げる、首を回す・・。

これらの運動はすべて関節を動かすため、関節の可動域を維持する役割があります。

運動習慣がない人は普段の生活で関節を動かす機会が少ないので、年を重ねるにつれて関節の可動域が小さくなってしまう傾向にあります。

それによって痛みが起こることは皆さんも経験があるのではないでしょうか。

例えば、肩こりは同じ姿勢を長時間継続することが主な原因であることはよく知られています。

これが常態化すると肩関節の可動域が小さくなり、少し肩を回すだけで痛みを感じたりします。

さらにこれが進行すると腕を上げることさえできなくなり、四十肩などと診断されたりします。

人間の骨の数はおよそ205個くらいと言われていますが、両手両足、つまり四肢の骨の数は120個です。

これが何を示すかと言えば、我々の手足は様々な動きを可能とすべく、多くの骨が組み合わさって出来ているということです。

例えば、歩いたり走ったり、ボールを投げたり蹴ったり打ったり、鉄棒を回ったり、泳いだりと人間には多くの動きができるのですが、これらは全て全身の関節を上手に使うことによってなされるのです。

そのため、運動するということは関節を動かしてあげることと同義でもあると言えます。

意識しなければ普段動かさない関節をこの準備体操で動かしてあげることによって、将来起きる可能性のある痛みを防ぐことにつながるとお考え下さい。

「使わなければ衰える」という生体の大原則はここでも当てはまるのです。

さらに、まさ先生やよっしー先生の動きを見てまねるという行為、例えば、先生の腕が伸びているので自分も真似して伸ばしてみようとする「見て、考えて動く」という一連の動きは脳にとっても良い刺激となります。

ただ、やはり何よりも大切なのは運動すると気持ちがいいと感じることではないでしょうか。

仕事がひと段落して伸びの姿勢を取るのも、じっと動かない状態を続けていた反動から体を動かして心地良く感じたいと無意識に思うからです。

今後も是非お子様と一緒に準備体操をして頂き、関節を積極的に動かして体の衰えを予防していきましょう。

恐怖心と運動能力向上の深~い関係  わく通2023年12月号

当ジムの大きな特徴の一つとして、一回のクラスで数多くの運動を行うという点があります。

日本の体操教室などでは鉄棒や跳び箱、平均台など数種類の運動にとどまるかと思いますが、当ジムではどのクラスも毎回20種類以上の運動を行っています。

それは、多種多様な運動を今のお子様の年齢で行うことが運動能力向上のために最も重要と考えているからです。

2歳,3歳クラス、3歳,4歳,5歳クラスのトンネルジャンプ、5歳,6歳,7歳,8歳クラス、小学生クラスのスパイダーマンや跳び箱、アドバンスクラスのバク転、その全てが恐怖心との戦いでもあります。

恐怖心の克服なしにこれらの運動を上手にすることはできません。そこで大切なのが多種多様な運動経験なのです。

例えば、高いところが苦手なら、パパの肩車から始まって、わくわくジャングルを上まで上がったり、ボルダリングで高い所に登るなどの経験を多く積むことが恐怖心の克服に大きく関わってくるのです。

跳び箱も大きな箱に向かって走っていくのはとても恐怖を感じるものですが、箱を跳ぶのではなく回るという台上前転を行うことによって箱に向かって走る恐怖心をなくす効果があります。

また、長期休みに開催しているスペシャルクラスでは、小学生でもトンネルジャンプを怖がってしまう子がいるのですが、恐らく彼らは高い所に上ったりそこで遊んだりという経験が圧倒的に不足していることが原因だと思います。

本来、高い所で遊ぶ、飛び降りるといった運動経験は外遊びの中で培うものでした。木登りやかくれんぼ、鬼ごっこなどは子供たちが大好きな遊びで、当ジムでもフリープレイタイムの際に子供たちが自発的によく行っています。

しかし、現在では外遊びをしている子供をあまり見かけることがなくなりました。それは日本でもここバンコクでも同じだと思います。その最大の原因は、テレビやゲームなど、家の中でも楽しく過ごせる遊びが台頭してきたことによるものでしょう。

運動経験が少ない子供は運動に対する恐怖心があるため、高い所が怖いから滑り台などの遊具には近づかないようにしよう、ボールに当たるのが怖いからドッジボールで遊ぶのはやめよう・・・というようにますます運動から遠ざかってしまうようになります。これでは運動好きな元気な子供に育つのは難しいと言えるでしょう。

「運動を怖がるか怖がらないか」

これは今後のお子様の運動能力向上を占う上でとても大きな指標でもあるのです。なぜならば、運動に対する恐怖心があるとそれを取り除くのに時間がかかってしまい、他の子どもと比べて上達に要する時間が必然的に長くなるためです。

当ジム独自の「柳井式」プログラムで恐怖心克服を目的とした多種多様な運動を行うことは、子供たちの運動能力をより早く向上させるためにとても大切なことなのです。

なお、最後になりましたが、本年も格別のご愛顧を賜りまして誠にありがとうございました。来年もスタッフ共々、より充実したジムでの時間を提供できるよう努力して参りたいと思っております。皆様には来年も変わらぬご愛顧を賜りますようお願い申し上げます。良いお年を❣

なぜ、最初鉄棒ができなくて泣いていた子が後に笑顔になるのか? ~わく通2023年11月号

現在、当ジムに所属するすべての子供は鉄棒前回りができますが、入会当初はできなくて泣いてしまう子が何人かいます。

今回はその原因である運動の「感覚」についてお話したいと思います。

鉄棒前回りをする際には必ず頭の上にお尻が来る状態(逆位体勢)になります。

「お布団干し」などとも呼ばれるこの状態は、頭が地面に近くなり、このまま滑り落ちると頭から落下してしまうという危険を感じる体勢です。

危険や恐怖を感じることは人間という生物として自然なことですので、逆位の経験がない子供は当然泣きじゃくって恐怖感を示すのです。

しかし、この感覚を何度も経験することによって慣れてくると、徐々に恐怖を感じなくなってきます。

さらに慣れると恐怖はおろか、むしろ楽しくなって何度も前回りをするようになるのです。と言うのも、逆位は普段の生活では経験することのない感覚のため、好奇心旺盛な子供はこの感覚を楽しむようになるからです。

これが運動能力向上のためにとても大切なことで、様々な感覚を初めて体験する際には恐怖を感じるものの、何度も繰り返すうちに慣れて楽しくなってくる、そして、その感覚を体験する年齢が低いほど、その後運動能力の向上に有利であるということです。

そのため、当ジムでは2,3歳クラスから積極的に鉄棒前回りを行うようにしています。

かつて、トライアルに来たお子様が鉄棒前回りをした際に泣いてしまい、それを見たご両親が可哀そうだからとその子を連れて帰られたことがありました。

しかし、その子も何度か経験を重ねていれば間違いなく怖がらずにできるようになっていたはずです。

また、鉄棒経験の全くない18歳の筋肉質のタイ人男性に鉄棒前回りをやるように促してみた事がありますが、怖がって全くできなかったこともありました。残念ながら彼はこの先も鉄棒に近づくことも、鉄棒を回ることもないでしょう。

さらに、かつて私が大学で体育教師をしていた際に、でんぐり返しができない留学生がいました。

これもでんぐり返しの経験がなく、回るという感覚が身体に染みついていなかったことが原因です。

でんぐり返りや鉄棒前回りができないと聞いて、皆様の中には信じられないと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、これは日本の体育教育がしっかり子供たちに回る「感覚」を体に覚えさせることが出来ていた成果でもあるのです。

運動の世界では「習うより慣れろ」という言葉があります。これはまさに感覚のことを言っているのです。

鉄棒にぶら下がる、トンネルの上を歩く、逆立ち、三点倒立をする、平均台の上を歩く、ジムでもよく行うこのような運動は「感覚」がとても重要ですので、何度も繰り返し行い慣れることが大切です。

ただ、感覚を覚えさせる際には必ず恐怖との戦いがあります。

これは先ほどの例のように、ある年齢に達してしまうと恐怖の方が打ち勝ってしまうので、今のお子様の年齢がその「感覚」を身につける最適な年齢でもあるのです。

叱り上手は子育て上手~わく通2023年10月号

皆様の中でお子様を叱ったことのない方は一人もいらっしゃらないと思います。

そこで、今回は子供を叱る際に私達が日ごろ心がけていることをお話したいと思います。

結論から申し上げると、「叱るのは自分が感情的になっていない時」ということです。

これはクラス中だけでなく、自分の子供を叱る時にも心がけていることです。

そもそも叱る目的は何かと考えたときに最も重要なことは、子供の行動を変えるということです。

例えば、道路に飛び出そうとする子供を叱るのは、安全確認をしてから道路に出るように行動を変えることを目的に叱るのだと思います。

それを、親が感情的になってしまうと行動を変えるという本来の目的を忘れてしまい、

「なぜ〇〇ちゃんは出来るのにあなたはできないの」と他者と比較したり、

「何度も同じことを言わせないで、本当にあなたはだめなんだから」と人格を否定することを口走ってみたり、

最悪のケースでは手を上げたりすることにつながることもあると思うのです。

ただ、このようなケースは誰でもあることですし、実際私もそのような過ちを何度も経験してきています。

その結果として思うことは、「今は叱らない方が良い」というケースが結構あるということです。

会員の皆様からは、私たち教師の子供に対する接し方を子育ての参考にさせてもらっているという嬉しいご報告をよく頂くのですが、それは子供を叱らずに待つ、また時には失敗を指摘せずに受け流すといった私たちの態度が子育てのヒントになっているのかもしれません。

子供は同じ過ちを一日の中で何度も繰り返します。最初のうちは理性的でいられても、何度も同じことをされるとさすがにカチンとくることもあろうかと思います。そのようなときにこそ敢えて叱るのを我慢するのです。

身の危険につながるようなことでなければ大概のことは次第に受け入れられるようになってくるものです。

「大人になるまでこの過ちを続けることはないだろう」くらいな気持ちを持てたらしめたものです。

よく「怒る」と「叱る」は違うと言います。

「叱る」のは子供の行動の改善をしっかり見据えた親の言動であり、「怒る」のは親自身が自分の感情をコントロール出来ていない言動と言えるでしょう。

とっさに「怒って」しまった結果、行動は確かに改まったけど、子供が委縮してしまったり、自分に自信が持てなくなってしまうなどという負の効果をもたらすことは多々あります。

本来は子供に幸せになってもらいたい、そのために良くない行動があれば変えてもらいたい、だから叱るのだと思います。

子供を叱る時には一呼吸おいて、まずは自分自身が感情的になっていないかどうかを確認する習慣ができれば、誰もが必ず「叱り上手」になれると思います。

意外と知らない?腕振りと足の速さの関係性 ~わく通2023年9月号

現在、Waku Waku Gymでは、5歳、6歳、7歳、8歳以上のクラスでは、11月下旬に行われるバンコク日本人学校の運動会に向けて、速く走るトレーニングを行っています。

足が速い人というのは蹴る力が強いので、蹴る力を強くするのが最適なトレーニングなのですが、残念ながらこれは一朝一夕に達成できるものではありません。

そこで当ジムでは、ほとんどのクラス中で毎回トランポリンやお花ジャンプ、ケンケンパー、縄跳びなどを実施し、またクラス終了後には「ホップステップジャンプ」を行うことにより蹴る力を養うようにしています。

それに加えて、今回はタイトルにもあるように腕をどのように振れば速く走ることが出来るのかを理解してもらい、その練習を繰り返すことで本番でより良い結果を出せるようにしていきたいと思っています。

 

では腕を振るときに、具体的に何に意識すれば良いのでしょうか?

大切なことは2点、まず1点目は腕を速く振るということです。腕と足の動きは連動しているため、腕を速く振れば振るほど足の回転も速くなるからです。

2点目は腕を大きく振るということです。腕を大きく振ると膝がより高く上がって、それに伴いストライドがより大きくなるからです。つまり、腕を大きく速く振ることが速く走るために最も手っ取り早い方法なのです。

ただ、そうは言ってもこれもすぐに身に付くものではありません。

まずは腕を正しく振ることが出来なくてはなりませんが、正しく振るとは「リズム良く」、「肘を曲げて」、「肘を後ろまで振る」ことが大切です。

これら全てを理解して腕を振るのは幼稚園、小学校低学年では難しいかもしれません。

しかし、毎回この練習を行うことによって多くの子供たちが自分の足が速くなったと感じると言ってくれるのです。

この経験から私たちは腕振りを意識して走ることの重要性を感じており、コロナ禍以前、バンコク日本人学校の運動会前はずっとこの練習を行っていました。

腕を振るだけで本当に足が速くなるのかとお考えの方もいらっしゃると思いますが、お子様の走るフォームが変わると足が速くなることを実感して頂く良い機会なのではと思います。

まずはまさ先生、よっしー先生の指導内容をお子様と共に理解して頂き、それを動画で見て確認してお子様にフィードバックをする、これを繰り返すことによって走るフォームをより良いものにしていただければと思います。

 

保護者の皆様の中で小さいころに走り方を習ったり、ご自分の走るフォームを動画で見たという方は少ないのではないでしょうか。特に、自分の走る姿を見てフォームを矯正するのは非常に効果的な練習方法です。

今のお子様の年齢で正しいフォームを獲得できれば、将来成長して蹴る力が強くなった時にさらに足が速くなることが期待できるでしょう。

さあ、運動会に向けてお子様と一緒に腕振りを頑張りましょう!

タイならでは?の出家体験 ~わく通2023年8月号

さて、この度私はバンコクのワットパクナムにて短期出家体験をしてきました。

その動機としては、私はかねてより何事にも揺るがない強い心を持った人間になりたいという思いを持っていたのですが、自身の心をコントロールする難しさを実感しており、「今日は絶対に心穏やかに過ごそう」と自分に誓って家を出ても、なかなかその誓いを守れない時もありました。

そこでそんな自分を変えるべく、出家がそのきっかけになればという思いで決意しました。

出家中は自身に向き合って色々なことを考える時間にしたいと思っていましたが、実際にはそんな甘いものではありませんでした。

とにかく密に予定が詰まっていて、毎日のルーティンをこなすので精一杯でした。

起床は4時。朝の講話、出家修行者のみでの読経、朝食、読経、学校が8時より10時まで、昼食は11時でその後は何も食べてはいけません。

午後は学校が2時から4時まで、5時から夕方の読経、瞑想、夜の読経、講話と続き、終わるのが9時です。

しかも私はタイ語が分からないので、授業を聞いていても全く理解できませんでした。

そのような環境で9日間過ごしたのですが、そんな中で最も有難かったのが一緒に暮らす先輩僧たちの私に対する心遣いでした。

彼らは私のことを「そう」と呼び、袈裟をうまく着ることが出来ない私に優しく教えてくれたり、授業中に指名された時には「彼は日本人でタイ語が分からないので・・・」と先生僧侶に説明してくれたりもしました。

読経の時間も大変だったのですが、英語版の経本があったため、何となく皆と一緒に口を合わせることが出来ました。

出家生活で唯一楽しみであったのが瞑想の時間でした。

最初はタイトなスケジュールが厳しくて全く余裕がなかったのですが、慣れるにつれ瞑想にも余裕をもって取り組むことが出来るようになり、呼吸にしっかり集中できるようになって終了後は頭がすっきりした自分を感じることが出来ました。

食事については一日2回のみで大変と思われるかもしれませんが、かなりの量が出て来る上、一日中座った生活をしているので空腹で大変と感じたことはありませんでした。

ただ、若い僧侶たちはその限りではないでしょう。

メニューはタイ料理がメインで、一人一台用意されたテーブルでは置ききれないために二段重ねとなることもしばしばでした。

そして私たちが手を付けなかったものを在家の方に配るのですが、それがまた在家の人にとってはありがたいのだそうです。

一度KFCのフライドチキンが出てきたことがあったのですが、これは皆に大好評のようでした。

今回の出家体験ではタイのお寺が人々の生活に深く根差していることが実感として理解できましたし、タイではとても戒律が厳しいため、日本と違い僧侶の社会的身分が高いことも理解できました。

しかし、この体験で何か自分が変わったことや成果はあったのかと聞かれれば、「今はまだ分からない」というのが正直な実感です。

ただ、今後もタイで暮らしていく私としては、タイ人をより深く理解する一助となることだけは間違いないと思っています。

ボルダリングで体が変わる!その驚きの効果とは~わく通2023年7月号

 

さて、最近はすべてのクラスでボルダリング(崖のぼり)に積極的に取り組んでいます。今回はその効果についてお話したいと思います。

まず最大の効果は体幹部の筋力がつくということです。

三点倒立をしている際に右に左に倒れてしまう子がいますが、彼らに共通しているのは体幹部の筋力不足です。

体幹部の筋力不足とは、腹筋に力を入れて体勢が崩れないようにコントロールする「体の締め」の経験が不足しているということです。

その力を養うために当ジムで行っているトレーニングとしては、パパママ体操での「握手トレーニング」があります。

握手トレーニングの際には、保護者の皆様も片腕で自分の体を支えながら腹筋に力を入れてバランスを取っていることと思います。

あの感覚を経験することが日常生活で子供たちにはほとんどありません。

鉄棒前回りを行う時に「バタン」と音を立てて着地する子や、手押し車の際にお尻が下がって腰が反った状態の子も全て体の締めができていないことが原因です。

そこで、ボルダリングを何度も繰り返すことで体の締めに欠かせない体幹部をしっかり鍛えることが出来ます。

どの種目であれ、スポーツをする際に100%使う筋肉が体幹部ですので、体幹部を鍛えることはすべてのスポーツ競技の上達につながるとお考え下さい。

またボルダリングでは 石を掴むため、ぶら下がりの練習にもなります。

ぶら下がるのが苦手な子のご両親と話していると、握力がないことが原因でしょうか?とよく聞かれるのですが、ぶら下がるために必要な能力は、りんごを手で握りつぶすといった握力よりも、手の第一関節と第二関節を曲げた状態を保持する能力なのです。

それを鍛えるためにうってつけなのがボルダリングです。

お子様がボルダリングを行っているときの手の形を見てみてください。

鉄棒にぶら下がっているときと同じように第一関節、第二関節を曲げた形をしているのが分かると思います。

鉄棒にぶら下がるとなると全体重が両手にかかってくるためかなりの負荷となりますが、ボルダリングであればぶら下がる時ほど負荷がかからないので、より気軽に行うことが出来ます。

さらに壁を移動するので、バランス保持能力向上にもとても効果があります。

また、次に手足をどこの石に置こうか考えながら子供たちは移動していきますが、少し無理をするとバランスを崩して落ちそうになるのでスリルもありそこがまたボルダリングの楽しいところでもあります。

このように、ボルダリングは子供たちに不足している運動能力を効果的に補うことができる非常に優れたエクササイズです。是非クラスの前後に何度も挑戦して、さらなる運動能力向上に繋げてもらいたいと考えています。

 

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