さて、最近はすべてのクラスでボルダリング(崖のぼり)に積極的に取り組んでいます。今回はその効果についてお話したいと思います。
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まず最大の効果は体幹部の筋力がつくということです。
三点倒立をしている際に右に左に倒れてしまう子がいますが、彼らに共通しているのは体幹部の筋力不足です。
体幹部の筋力不足とは、腹筋に力を入れて体勢が崩れないようにコントロールする「体の締め」の経験が不足しているということです。
その力を養うために当ジムで行っているトレーニングとしては、パパママ体操での「握手トレーニング」があります。
握手トレーニングの際には、保護者の皆様も片腕で自分の体を支えながら腹筋に力を入れてバランスを取っていることと思います。
あの感覚を経験することが日常生活で子供たちにはほとんどありません。
鉄棒前回りを行う時に「バタン」と音を立てて着地する子や、手押し車の際にお尻が下がって腰が反った状態の子も全て体の締めができていないことが原因です。
そこで、ボルダリングを何度も繰り返すことで体の締めに欠かせない体幹部をしっかり鍛えることが出来ます。
どの種目であれ、スポーツをする際に100%使う筋肉が体幹部ですので、体幹部を鍛えることはすべてのスポーツ競技の上達につながるとお考え下さい。
またボルダリングでは 石を掴むため、ぶら下がりの練習にもなります。
ぶら下がるのが苦手な子のご両親と話していると、握力がないことが原因でしょうか?とよく聞かれるのですが、ぶら下がるために必要な能力は、りんごを手で握りつぶすといった握力よりも、手の第一関節と第二関節を曲げた状態を保持する能力なのです。
それを鍛えるためにうってつけなのがボルダリングです。
お子様がボルダリングを行っているときの手の形を見てみてください。
鉄棒にぶら下がっているときと同じように第一関節、第二関節を曲げた形をしているのが分かると思います。
鉄棒にぶら下がるとなると全体重が両手にかかってくるためかなりの負荷となりますが、ボルダリングであればぶら下がる時ほど負荷がかからないので、より気軽に行うことが出来ます。
さらに壁を移動するので、バランス保持能力向上にもとても効果があります。
また、次に手足をどこの石に置こうか考えながら子供たちは移動していきますが、少し無理をするとバランスを崩して落ちそうになるのでスリルもありそこがまたボルダリングの楽しいところでもあります。
このように、ボルダリングは子供たちに不足している運動能力を効果的に補うことができる非常に優れたエクササイズです。是非クラスの前後に何度も挑戦して、さらなる運動能力向上に繋げてもらいたいと考えています。