Waku Waku Gym

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叱り上手は子育て上手~わく通2023年10月号

皆様の中でお子様を叱ったことのない方は一人もいらっしゃらないと思います。

そこで、今回は子供を叱る際に私達が日ごろ心がけていることをお話したいと思います。

結論から申し上げると、「叱るのは自分が感情的になっていない時」ということです。

これはクラス中だけでなく、自分の子供を叱る時にも心がけていることです。

そもそも叱る目的は何かと考えたときに最も重要なことは、子供の行動を変えるということです。

例えば、道路に飛び出そうとする子供を叱るのは、安全確認をしてから道路に出るように行動を変えることを目的に叱るのだと思います。

それを、親が感情的になってしまうと行動を変えるという本来の目的を忘れてしまい、

「なぜ〇〇ちゃんは出来るのにあなたはできないの」と他者と比較したり、

「何度も同じことを言わせないで、本当にあなたはだめなんだから」と人格を否定することを口走ってみたり、

最悪のケースでは手を上げたりすることにつながることもあると思うのです。

ただ、このようなケースは誰でもあることですし、実際私もそのような過ちを何度も経験してきています。

その結果として思うことは、「今は叱らない方が良い」というケースが結構あるということです。

会員の皆様からは、私たち教師の子供に対する接し方を子育ての参考にさせてもらっているという嬉しいご報告をよく頂くのですが、それは子供を叱らずに待つ、また時には失敗を指摘せずに受け流すといった私たちの態度が子育てのヒントになっているのかもしれません。

子供は同じ過ちを一日の中で何度も繰り返します。最初のうちは理性的でいられても、何度も同じことをされるとさすがにカチンとくることもあろうかと思います。そのようなときにこそ敢えて叱るのを我慢するのです。

身の危険につながるようなことでなければ大概のことは次第に受け入れられるようになってくるものです。

「大人になるまでこの過ちを続けることはないだろう」くらいな気持ちを持てたらしめたものです。

よく「怒る」と「叱る」は違うと言います。

「叱る」のは子供の行動の改善をしっかり見据えた親の言動であり、「怒る」のは親自身が自分の感情をコントロール出来ていない言動と言えるでしょう。

とっさに「怒って」しまった結果、行動は確かに改まったけど、子供が委縮してしまったり、自分に自信が持てなくなってしまうなどという負の効果をもたらすことは多々あります。

本来は子供に幸せになってもらいたい、そのために良くない行動があれば変えてもらいたい、だから叱るのだと思います。

子供を叱る時には一呼吸おいて、まずは自分自身が感情的になっていないかどうかを確認する習慣ができれば、誰もが必ず「叱り上手」になれると思います。

意外と知らない?腕振りと足の速さの関係性 ~わく通2023年9月号

現在、Waku Waku Gymでは、5歳、6歳、7歳、8歳以上のクラスでは、11月下旬に行われるバンコク日本人学校の運動会に向けて、速く走るトレーニングを行っています。

足が速い人というのは蹴る力が強いので、蹴る力を強くするのが最適なトレーニングなのですが、残念ながらこれは一朝一夕に達成できるものではありません。

そこで当ジムでは、ほとんどのクラス中で毎回トランポリンやお花ジャンプ、ケンケンパー、縄跳びなどを実施し、またクラス終了後には「ホップステップジャンプ」を行うことにより蹴る力を養うようにしています。

それに加えて、今回はタイトルにもあるように腕をどのように振れば速く走ることが出来るのかを理解してもらい、その練習を繰り返すことで本番でより良い結果を出せるようにしていきたいと思っています。

 

では腕を振るときに、具体的に何に意識すれば良いのでしょうか?

大切なことは2点、まず1点目は腕を速く振るということです。腕と足の動きは連動しているため、腕を速く振れば振るほど足の回転も速くなるからです。

2点目は腕を大きく振るということです。腕を大きく振ると膝がより高く上がって、それに伴いストライドがより大きくなるからです。つまり、腕を大きく速く振ることが速く走るために最も手っ取り早い方法なのです。

ただ、そうは言ってもこれもすぐに身に付くものではありません。

まずは腕を正しく振ることが出来なくてはなりませんが、正しく振るとは「リズム良く」、「肘を曲げて」、「肘を後ろまで振る」ことが大切です。

これら全てを理解して腕を振るのは幼稚園、小学校低学年では難しいかもしれません。

しかし、毎回この練習を行うことによって多くの子供たちが自分の足が速くなったと感じると言ってくれるのです。

この経験から私たちは腕振りを意識して走ることの重要性を感じており、コロナ禍以前、バンコク日本人学校の運動会前はずっとこの練習を行っていました。

腕を振るだけで本当に足が速くなるのかとお考えの方もいらっしゃると思いますが、お子様の走るフォームが変わると足が速くなることを実感して頂く良い機会なのではと思います。

まずはまさ先生、よっしー先生の指導内容をお子様と共に理解して頂き、それを動画で見て確認してお子様にフィードバックをする、これを繰り返すことによって走るフォームをより良いものにしていただければと思います。

 

保護者の皆様の中で小さいころに走り方を習ったり、ご自分の走るフォームを動画で見たという方は少ないのではないでしょうか。特に、自分の走る姿を見てフォームを矯正するのは非常に効果的な練習方法です。

今のお子様の年齢で正しいフォームを獲得できれば、将来成長して蹴る力が強くなった時にさらに足が速くなることが期待できるでしょう。

さあ、運動会に向けてお子様と一緒に腕振りを頑張りましょう!

タイならでは?の出家体験 ~わく通2023年8月号

さて、この度私はバンコクのワットパクナムにて短期出家体験をしてきました。

その動機としては、私はかねてより何事にも揺るがない強い心を持った人間になりたいという思いを持っていたのですが、自身の心をコントロールする難しさを実感しており、「今日は絶対に心穏やかに過ごそう」と自分に誓って家を出ても、なかなかその誓いを守れない時もありました。

そこでそんな自分を変えるべく、出家がそのきっかけになればという思いで決意しました。

出家中は自身に向き合って色々なことを考える時間にしたいと思っていましたが、実際にはそんな甘いものではありませんでした。

とにかく密に予定が詰まっていて、毎日のルーティンをこなすので精一杯でした。

起床は4時。朝の講話、出家修行者のみでの読経、朝食、読経、学校が8時より10時まで、昼食は11時でその後は何も食べてはいけません。

午後は学校が2時から4時まで、5時から夕方の読経、瞑想、夜の読経、講話と続き、終わるのが9時です。

しかも私はタイ語が分からないので、授業を聞いていても全く理解できませんでした。

そのような環境で9日間過ごしたのですが、そんな中で最も有難かったのが一緒に暮らす先輩僧たちの私に対する心遣いでした。

彼らは私のことを「そう」と呼び、袈裟をうまく着ることが出来ない私に優しく教えてくれたり、授業中に指名された時には「彼は日本人でタイ語が分からないので・・・」と先生僧侶に説明してくれたりもしました。

読経の時間も大変だったのですが、英語版の経本があったため、何となく皆と一緒に口を合わせることが出来ました。

出家生活で唯一楽しみであったのが瞑想の時間でした。

最初はタイトなスケジュールが厳しくて全く余裕がなかったのですが、慣れるにつれ瞑想にも余裕をもって取り組むことが出来るようになり、呼吸にしっかり集中できるようになって終了後は頭がすっきりした自分を感じることが出来ました。

食事については一日2回のみで大変と思われるかもしれませんが、かなりの量が出て来る上、一日中座った生活をしているので空腹で大変と感じたことはありませんでした。

ただ、若い僧侶たちはその限りではないでしょう。

メニューはタイ料理がメインで、一人一台用意されたテーブルでは置ききれないために二段重ねとなることもしばしばでした。

そして私たちが手を付けなかったものを在家の方に配るのですが、それがまた在家の人にとってはありがたいのだそうです。

一度KFCのフライドチキンが出てきたことがあったのですが、これは皆に大好評のようでした。

今回の出家体験ではタイのお寺が人々の生活に深く根差していることが実感として理解できましたし、タイではとても戒律が厳しいため、日本と違い僧侶の社会的身分が高いことも理解できました。

しかし、この体験で何か自分が変わったことや成果はあったのかと聞かれれば、「今はまだ分からない」というのが正直な実感です。

ただ、今後もタイで暮らしていく私としては、タイ人をより深く理解する一助となることだけは間違いないと思っています。

ボルダリングで体が変わる!その驚きの効果とは~わく通2023年7月号

 

さて、最近はすべてのクラスでボルダリング(崖のぼり)に積極的に取り組んでいます。今回はその効果についてお話したいと思います。

まず最大の効果は体幹部の筋力がつくということです。

三点倒立をしている際に右に左に倒れてしまう子がいますが、彼らに共通しているのは体幹部の筋力不足です。

体幹部の筋力不足とは、腹筋に力を入れて体勢が崩れないようにコントロールする「体の締め」の経験が不足しているということです。

その力を養うために当ジムで行っているトレーニングとしては、パパママ体操での「握手トレーニング」があります。

握手トレーニングの際には、保護者の皆様も片腕で自分の体を支えながら腹筋に力を入れてバランスを取っていることと思います。

あの感覚を経験することが日常生活で子供たちにはほとんどありません。

鉄棒前回りを行う時に「バタン」と音を立てて着地する子や、手押し車の際にお尻が下がって腰が反った状態の子も全て体の締めができていないことが原因です。

そこで、ボルダリングを何度も繰り返すことで体の締めに欠かせない体幹部をしっかり鍛えることが出来ます。

どの種目であれ、スポーツをする際に100%使う筋肉が体幹部ですので、体幹部を鍛えることはすべてのスポーツ競技の上達につながるとお考え下さい。

またボルダリングでは 石を掴むため、ぶら下がりの練習にもなります。

ぶら下がるのが苦手な子のご両親と話していると、握力がないことが原因でしょうか?とよく聞かれるのですが、ぶら下がるために必要な能力は、りんごを手で握りつぶすといった握力よりも、手の第一関節と第二関節を曲げた状態を保持する能力なのです。

それを鍛えるためにうってつけなのがボルダリングです。

お子様がボルダリングを行っているときの手の形を見てみてください。

鉄棒にぶら下がっているときと同じように第一関節、第二関節を曲げた形をしているのが分かると思います。

鉄棒にぶら下がるとなると全体重が両手にかかってくるためかなりの負荷となりますが、ボルダリングであればぶら下がる時ほど負荷がかからないので、より気軽に行うことが出来ます。

さらに壁を移動するので、バランス保持能力向上にもとても効果があります。

また、次に手足をどこの石に置こうか考えながら子供たちは移動していきますが、少し無理をするとバランスを崩して落ちそうになるのでスリルもありそこがまたボルダリングの楽しいところでもあります。

このように、ボルダリングは子供たちに不足している運動能力を効果的に補うことができる非常に優れたエクササイズです。是非クラスの前後に何度も挑戦して、さらなる運動能力向上に繋げてもらいたいと考えています。

 

よっしー先生ってどんな人? @わく通2023年6月号


6月よりよっしー先生が沖縄からタイに移住して、本格的に当ジムの指導スタッフの一員となりました。

よっしー先生ってどんな人?皆様とても気になっていることと思います。

そこで今回は、よっしー先生に普段のクラスではなかなか聞けない質問を投げかけてみました。

*  *  *

タイに来て驚いたことは?

ここに来る前には東南アジアの国ということで、ジャングルのような全く未開の地をイメージしていて、これからサバイバルな生活が始まるのだと考えていました。でも、実際には大都会で車が多くて、しかもスーパーカーがたくさん走っていてびっくりしました。

タイと沖縄を比べて何を感じましたか?

まず人柄が似ていると感じました。沖縄の人は人懐っこくて陽気な性格の人が多いのですが、タイの人も何となく似たような雰囲気を感じました。食べ物については沖縄は甘い味付けが多いのですが、タイはとても辛いと感じました。また、タイ人がクイッティアオに砂糖をたくさんかけているのを見たときにはかなり驚きました。

なぜWaku Waku Gymで先生になりたいと思ったのですか?

高校生のころからずっと海外で働いてみたいと思っていました。また、体育の先生として子供たちにスポーツを教えたいとも考えていました。今回この2点の希望がかなえられると思いバンコクに来ることを決断しました。

沖縄の子どもとWaku Waku Gymの子供たちとの違いは何かありますか?

沖縄の子供たちからは、先生と生徒というよりも友達同士のような接し方をされることが多かったのですが、バンコクの子供たちは礼儀正しくて言葉遣いがしっかりしていると思いました。また、沖縄では小さい子供が鉄棒をくるくる回っている光景はまず見かけないのでとても感心しました。

これからWaku Waku Gymでどんな先生になりたいですか?

子供たちが生涯を通して運動が楽しいと思えるように指導できる先生になりたいと思っています。

スポーツをしていてよかったことは?

友達や先輩、後輩を含めて様々な人とのつながりが持てたことです。それらの人々との交流が、自分が何かに迷った時や悩んだ時に良い方向に導いてくれたと思っています。

タイの生活で経験してみたいことは?

タイの有名なアクティビティーなので、ゾウに乗る体験をしてみたいです。また、同様に日本ではなかなかできない体験として、プール付きの家にも一度は住んでみたいですね!

実は大事です、クラス始めの雑談タイム~わく通2023年5月号

まさ先生がクラスの始まりの際に、「今日は何を食べてきましたか」「今日は何をして過ごしていましたか」などと雑談をすることがよくありますが、今回はその目的についてお話ししたいと思います。

クラスの最初に皆そろって挨拶をした時には、誰もが「さあ、これから運動を頑張ろう!」と張り切っているように思われがちですが実はそうとも限りません。

例えば低年齢なら寝起きで機嫌が悪い子もいるかもしれませんし、あるいはジムに来る前にママに叱られて落ち込んでいる子、振り替え参加でいつもと様子が異なり緊張している子もいるでしょう。

つまり最初は皆が様々な気持ちを抱えて座っているのです。

雑談タイムには、そのような子供たちに対してまさ先生が身近な話題で話しかけ会話することによって彼らの気持ちをほぐし、精神的に安定させる効果があります。

またそれによってクラス全体の雰囲気も柔らかいものとなり、子供たちにとって運動しやすい環境を作り上げるという効果もあるのです。

ここで子供たちとしっかり心を通わせることがクラスの中でまさ先生の言葉が子供たちにより届くことにつながり、その指導効果がさらに高まる事にもつながります。

またこのタイミングでいつもと様子が違う子、少しフォローが必要な子を見つけることが出来れば、その後の指導に活かすこともできます。

 

わくわくジムでは、雰囲気作りが子どもの運動指導で最も大切と言ってもいいくらい重要なものと考えています。

子供はエンジンをかければいつでも動き出す車とは異なり、調子のよいときもあれば運動に対して気が進まない時もあります。

また、最初は気が進まなかった子も、まさ先生の指導で楽しくなってきて1時間をしっかりやり遂げる子もいます。

このように子供の運動指導の際には子供の気分に寄り添いながら、飽きていないか、楽しくやっているかなど常にその様子に気を配っています。

だからこそ、クラスの最初の雰囲気作りというのはとても重要となります。

ここでうまく気持ちを通わせることが出来ないと子供は1時間ずっと緊張しっぱなしでリラックスできず、最悪の場合、クラスで楽しく体を動かすことができないこともあります。

 

1時間のクラスを楽しく運動するためには精神的に安定していることが必須となります。

ただ、子供たちはまだ精神的に未熟な部分がありますので、指導者の子供たちと心を通わせる経験や技術が大変重要となります。

幸いにして現状ではどのクラスでもまさ先生と子供たちが心を通わせて楽しく運動できていると思いますので、今後も引き続き子供たちのために良い環境を提供できるよう努力して参ります。

すべては子供達の「できた!」のために ~わく通2023年4月号

新学期が始まりました。

Waku Waku Gymでは、今年度も「すべては子供達の『できた!』のために」をスローガンに掲げ、バンコクにお住いのお子様が好奇心を持って楽しく体を動かし、様々な運動が出来るようにスタッフ一同一生懸命指導させて頂きます。

また、本年度よりよっしー先生が加入しました。

皆さんと早く仲良くなりたいと張り切っていますので、是非積極的によっしー先生に声をかけてみてください。

当ジムでは、まず楽しく運動できる雰囲気作りが最も大切と考えています。

そのために「あいさつ」と「友達を名前で呼ぶ」という習慣づけを行っていきます。

Waku Waku Gymでは一週間に一度しか会わない子供が多いので、どうしても友達の名前を覚える事は面倒だと考えがちですが、とりわけ、運動が得意でない子供にとっては友達から名前で呼んでもらうと大きな安心感が得られるものです。

運動は座学で受ける勉強と異なり、得手不得手が瞬時に明確になってしまうものなので、まずは運動が苦手な子供が楽しくできる環境を整えたいと考えております。

また、クラスの中でお互いが挨拶できる関係性を築くことも雰囲気作りにはとても大切と考えています。

ジムに来る子供たちを見ていて感じる事は、学年が上がるほど友達同士の挨拶が少なくなっていくという事です。

「やぁ」でも「オス!」でもいいので、クラス最後に行う「わくわくタッチ」の時のように友達同士目を合わせるように指導していきたいと考えております。
ジムで運動しているときには、子供達の心は開いていて互いのコミュニケーションがとりやすい状態ですので、挨拶の指導をするにはとても良いタイミングだと思います。

運動においても、また運動以外の他の分野においても、できないことができるようになるためには何度も失敗を重ねることが必須です。

そしてそのためには、失敗しても恥ずかしくないという雰囲気作りがとても大切となってきます。

その良い雰囲気作りに欠かせないのが友達同士の関係性です。互いに気軽に挨拶し合い、名前で呼び合う関係があれば、もし何か失敗しても恥ずかしくない雰囲気を作ることができます。

そして、それこそがすべての子供たちに「できた!」を体験させる事ができる最良の方法だと考えております。

本年度もどうぞ宜しくお願い致します。

タイから巣立っていく子供たちへ  ~わく通2023年3月号

3月は別れの季節です。

今年も多くの子供たちがジムを巣立っていきます。

入会した当時は両足ジャンプができなかった子

ママから離れられずにずっと泣いていた子

鉄棒ができなくて練習を重ね、最後は逆上がりまでできるようになった子・・・。

子供たちにメダルを渡すとき、多くの「できた!」を重ねて大きく成長してくれたなぁ、としみじみ喜びを感じることが多い今日この頃です。

うんていができるようになった
逆上がりができるようになった

それらは他人から見れば本当に些細な事かもしれませんが、本人からすればさなぎが蝶になるくらい大きな出来事である場合もあるのです。

そこで自信をつけ、様々な事に積極的に挑戦していく子になるのか、あるいは運動に対して苦手意識を持ち続けてその他のことにも消極的な子になってしまうのか、大げさではなく、あとから見れば人生の岐路となる場合もあり得るかもしれません。

そのくらいたった一つの「できた!」が子供たちの将来に与える影響は計り知れないと考えています。

そもそも、

長年大学で体育教師をしていた私がなぜ幼児教育に目覚めたのかと言えば、運動が苦手な学生と授業前に話をしていた際に「小学校から高校までずっと体育の時間が嫌で嫌でたまらなかった」という一言を聞いて大きなショックを受け、では一体何歳までさかのぼれば運動への苦手意識がなくなるのだろうという素朴な疑問を抱いたためでした。

子供たちが学校を卒業した時に「これでもう体育をやらなくて済むからせいせいした」というのではあまりにももったいないと思ったのです。

そして、私がたどり着いた一つの答えが、元々運動の得手不得手があるのは仕方ない、それよりも幼少期において例え上手にできなくても体を動かすのは楽しいと感じられる体験をさせることが重要であるというものでした。

子供たちにそんな体験をしてもらえるよう、私たちはこれまで日々努力して参りました。

Waku Waku Gymでの楽しく運動できた思い出、そして「できた!」の成功体験が巣立っていく子供たちの未来に少しでも貢献できたならこれ以上の喜びはありません。

私たちはこれからもタイから日本の子供たちへ、変わらぬエールを送り続けたいと思っております。

復活!お花ジャンプ@わく通23年2月号

「スワンまさ」の運動の際に、今までは直接マーカーの上を跳んでいましたが、今月からマーカーの上にボールを載せてそこを跳ぶ方法に変更しました。

この方法、上から見ると花が咲いているように見えることから、かつては「お花ジャンプ」と呼んでいたのですが、

コロナ禍の際にボールプールのボールをすべて片付けてしまったためこれまで休止していたものです。

この「お花ジャンプ」の利点は、上にボールを乗せることで、跳ぶ高さが足りなければ足が当たってボールが落ちるため、高く跳べているかどうかが判断しやすくなることにあります。

最近入会された方の中には、マーカーの上を跳ぶのになぜ「お花ジャンプ」なの?と思った人も少なくないでしょう。

今回はこのお花ジャンプの効用についてお話します。

バンコクに住むほぼすべての人に当てはまる運動不足ではありますが、特に活動欲求が高い子供たちにとっては将来を左右しかねない大きな問題です。

運動機会の少ない子供たちに共通していることが、蹴る力の弱さであり、それを補うために有効な手段がお花ジャンプなのです。

これを行う際には、

①両足を揃えること

②リズム良く跳ぶことが大切なのですが、最近ではそれに加えてまさ先生から

③静かに着地することを目指すよう指示を受けているクラスもあります。

着地が静かにできるということはふくらはぎの筋肉を上手に使うことができていることでもあり、それはすなわち蹴る力が強いということに他なりません。

足が速い子供は地面を静かに蹴るので、走っている際に大きな音がしません。

逆に、ばたばたと大きな音を立てて走っている子は、まだまだ足が速くなる余地があるということになります。

「スワンまさ」ではより蹴る力を養うべく、お花ジャンプの他、「けんけんぱー」やトランポリンなどの跳ぶ運動を複数取り入れています。

また、5歳、6歳、7歳、8歳以上のクラスでは毎回準備体操を行っていますが、その際も3種類のジャンプを行い、さらに必ず縄跳びの時間を設けて、跳ぶ機会をなるべく多く作るようにしています。

子供の運動能力を高めようとするとき、重要となる能力の一つは「蹴る力」で、速く走る際にも高く跳ぶ際にも必須の能力です。

しかし、残念ながらここバンコクに住んでいると、往復のバス通学をはじめ、放課後がない、帰宅しても外で友達と一緒に遊ぶ習慣がないなどの特殊な事情により、なかなか普段の生活でその力を養うことが難しい現状にあります。

これらのことから、今後とも当ジムでは1時間のクラスの中でなるべく多く跳ぶ機会を設けて、効率的に蹴る力を身につけることが出来る環境作りに努めていきます。

 

さぁ、跳び箱の季節です  @わく通2023年1月号

毎年この時期Waku Waku Gymでは、5~8歳クラス以上では1年間の総決算として、まずは跳び箱の上で前転をする台上前転を行い、その後足を開いて箱を跳び越える開脚跳びを行っています。

跳び箱は上手に跳べた時には大きな達成感や爽快感を得られることができます。ただ、そのためには様々な運動能力の体得が必須なので、毎年年度末に行うことが多いのです。

跳び箱を跳ぶ上でまず大切なのが「怖がらない」ことです。

跳べなくて箱にぶつかってしまったらどうしようと怖がってしまうと、助走で十分なスピードを出すことができず上手に跳ぶことができなくなってしまいます。

もう一点大切なのは、腕でしっかり自分の体を支える筋力です。

普段のクラスで子供たちに「手押し車」「逆立ち」「くまさん歩き」などの運動をさせると、自分の体の支持能力がない子供が目立ちます。

特に小さい子供のクラスでは、手押し車が私たちのサポートなしにはできないという子もいます。

普段の生活で腕の筋肉を使う機会がほとんどないことが原因と思われますが、体の支持能力は訓練を重ねれば誰でも向上しますので、当ジムに通っている子供たちはさほど心配する必要はないと思います。

また、何故最初に台上前転を行い、その後開脚跳びを行うのか、それは跳び箱を跳ぶ技術で難しい「踏み切り」の方法を習得するためです。

少し専門的な話になってしまいますが、踏み切りの目的は、助走をしてスピードにのった状態から「前方」に行くエネルギーを「上方」に跳ぶためのエネルギーに変換することです。

これが上手にできないと高い箱を跳ぶことはできません。

ですからまずは箱の上を回るという台上前転を練習し、踏み切りをリズム良く正確に行えるようにすることが大切なのです。

最後に、当ジムの跳び箱に何段という数字を書かない理由についてお話し致します。

恐怖感が無くなり高い箱が跳べるようになると、子供はどうしても他者と比較して勝ち負けにこだわるようになるものです。

そこで〇段跳べたという他者との比較を避けるため、箱の数字はすべて消しています。

私たちは数字の代わりに、緑色を跳びましょう、ピンク色を跳びましょうと呼びかけていますが、こうすることで高い箱を跳べない子供たちも不要な劣等感を感じることなく跳ぶこと自体を楽しんでほしいと考えています。

高い箱を跳ぶ際には、子供たちは勇気を振り絞って跳び箱に向かって走ってきます。その一番の原動力は、何よりもご両親の応援だと思います。

是非子供たちの頑張りを称えて、今後とも引き続き温かなご声援をよろしくお願いいたします。

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